2020年7月25日掲載

経済活動とコロナ対策とは相反する

 7月23日から始まる連休を前に、国も東京都も慌てふためいている。観光の時期と重なるからだ。その一方で政府は観光事業に助成金を出して応援するという。これほど矛盾した政策はない。

 人が動いたり集まったりするところから感染するのだから、移動しないさせないことが肝心なことは子供でも知っている。それを政府が資金を出してまで動け、観光しろということのつじつまをどう合わせるのか。これを矛盾といわずに何というか。

 安倍総理も小池都知事も人気取りのためか、側近の誤った助言を鵜呑みにして緊急事態宣言を解除してしまったのだ。大いなる失政である。それぞれが辞任に値する。緊急時の判断、決断こそ、度々あるわけではないが政治家の真価が問われる。もう一度緊急事態宣言をせざるを得なくなる時が、すぐそこにきている。

 経済も国民の健康も命も同時に守ることができるのなら、こんなに安易なことはない。それが出来ていないからこそ指導者への批判をしているのだ。国民に事態の深刻さを説明して、たとえ私権の制限といわれても、他人に死の恐怖を与えることにつながる夜の街への外出を禁止することが、コロナ対策の基本である。ほとんどの国民はマスクをして警戒しているし外出を控えている。接待のためや自分の快楽のために出かけていくことは、ことの重要性を理解していない証である。この政治家たちにしてこの国民である。

 まったくの蛇足であるが、最近、駅のアーケード脇で昼間、立小便をしている人間を2回ほど見た。町で犬の糞を処理していないのが目立つようになった。前回書いたように心が荒んできた人間が増えてきたのであろう。このような空気が広がっていき、思いもよらぬ異常事件が発生しなければよいが、と祈る気分である。

2020年7月22日 記