2020年7月31日掲載

Go Toキャンペーンは政策の分裂である

 訳のわからないキャンペーンなるものが始まったようだ。安倍総理、すなわち政府の考えは全く分裂している。国民はなるべく人と近づかないように、せめてマスクをするべきということで着用しているのが実態である。自宅で仕事をするようにという暗黙の勧めもある。そんな一方で観光に出かけることを政府の運動として行おうというのは、矛盾といわないのか。

 国の方向、方針を決めて国民に従ってもらうのは、政治指導者の仕事だ。このような時に政治の本来の役割が求められる。また指導者の力量が問われる。誰もが喜ぶ甘い菓子を出すことはたやすい。だが嫌う苦い薬は出したくない。このキャンペーンは確かに甘い菓子だ。観光地も国民も束縛から解かれたように喜ぶと、政府は目論んだに違いない。だが旗を振っても国民は踊らないようだ。コロナの恐怖を政府は読み違っている。

 海の向こうのアメリカのトランプ大統領は、このコロナ対策のお粗末さから支持率を落とし11月の選挙では、相手がバイデンでなくても負ける流れとなった。これも政策の分裂のなせる業である。安倍総理とトランプ大統領に共通しているのは、教養がないことと周りに苦言を呈する人がいないことだ。いたとしても本人がそれを受け入れる資質に欠けていることだ。こんな指導者を持った国民は、彼らのコロナ対策に期待せずに自立した人間として自己管理をすることだ。みんなで仲良くなどとは言わず、それぞれが自覚をもって、「津波てんでんこ」の尊い教訓を思い出して実践する時だと思う。もう分裂している政治指導者に任せられない。

2020年7月29日 記