2020年8月12日掲載

やはりでてきた、世の中を惑わす暴論か

 コロナ・ウイルスの恐怖につけ込む、いかがわしい薬と称する品物の売り込みとその薬事法違反の摘発が報じられている。人は弱いので自信ありげにふるまう人間を信じやすい。ましてコロナ・ウイルスの見方は医者でも色々考えが違う。そんな時に大阪府の吉村知事が、うがい薬を前にこれでうがいをすると感染予防に効果があると、府の病院関係者と同席で披露した。テレビ会見の30分後には薬局、店の品物は完売となった。その後、専門医は本格的な効果は疑わしい、と批評していた。うがい薬がコロナ・ウイルスの予防に効くとなれば類似の薬も、ということになる。

 ここで考えることは二つ。今までの専門医師の指摘にしたがうこと。もう一つは今回のうがい薬のようなものを探すこと。またそれを私たちが選択するかどうかという判断がある。どちらにしても吉村府知事の記者会見は、政治家として医学の領域に入った勇気ある判断ととるか、騒動師の目立ちたがり屋ととるか、命に不安を持つ国民は注目することになる。どちらにしても、吉村知事は話題を提供して医師会などから効果について非難されても、大阪の病院のデータを読み上げただけと釈明すれば責任はとらなくて済むと思っているのかもしれないが。

2020年8月3日 記