2021年3月3日掲載

公務員の処分はこれでよいのか

 警察官などが不始末をすると自主退職すなわち依願退職をするのが常套である。依願退職は退職金が出る。これも警察公務員の仲間を擁護する仕組みである。

 それにしても菅総理の長男の東北新社接待問題は腐敗そのものである。放送権に関係する会社の社員で、総理の長男でなければ10人近い公務員がわざわざ何回も食事をするわけがない。放送について何かの目的、利益を得るために一人数万円の飲食を提供したとみるのが常識である。公務員試験には、接待はいいという設問が出ているわけではあるまい。難関な試験を通過してきた人間が、一般国民には門切対応をしながら、誰かのコネがあると手のひらを解して胡麻をする。上には弱く下には強い官僚の、かつての典型がある。公務員は許可なく辞職できない。依願退職、懲戒免職がある。依願の場合、退職金は支給される。懲戒の場合は出ない。

 今回の処分では自分から辞職しなければ降格はあっても、懲戒免職にはならないだろう。もし出ればそれが前提となり、これから同様な事件が会った時、前例となり何人もの官僚が辞めなければならなくなる。今回も前例主義の組織が、総務省がそれを許さないのだろう。相互扶助の組織そのものが官僚組織だからである。潔い官僚は出ないようになっている、ふるい体質は依然として存続している。それが安倍、菅と益々図々しく成長してきただけである。

2021年2月28日 記