2021年5月30日掲載

選挙の切実さからくる相違

 5月28日の小池都知事と都民ファーストの会のオリンピック・パラリンピックの延長についての考えの相違は、深刻な問題となろう。小池都知事は「再延長は無理」、会の方は「延長も含め検討すべき」という。ポイントは当面の選挙のあるなしである。7月に迫った都議選には小池都知事は直接は無関係である。だが都議は政治生命がかかっている。少しでも都民の世論(せろん)に逆らいたくない。そこでこのところ各種調査で増えてきている中止または延期の声に従おうということになったと思うのが現実的である。一方、小池知事は政治力の無さを表すことになる延期はとりたくない。この違いだ。

 選挙に対する本能的な防御反応が都議、候補者にはある。小池都知事は自民、公明とも政策では与党化してきたので、数はあっても頼りない都民ファーストを切っても良いと思っているかもしれない。自民党の二階幹事長との蜜月も伏線になっているかもしれない。またまた都民ファーストの分裂が選挙前にあるかもしれない。選挙は怖い。

2021年5月28日 記