2021年6月12日掲載

この政治家の軽さは

 大村愛知県知事と河村名古屋市長の住民投票の虚偽名簿作成の非難の応酬は、政治家の人格の問題である。二人とも国会議員を辞めて地方自治体の首長になった。その当座は仲良く協力して意欲を見せていた。

 だが、愛知県の「あいちトリエンナーレ」で天皇陛下をテーマにした作品を展示するかしないかで分裂。大村知事の解職要求の住民投票に80パーセント以上の不正な名簿があった、という選管や警察の認識から事件となっている。大村知事が自ら解任要求するとは思えない、とすれば他者が働きかけたことになる。そして大村、河村両人が月刊文春で避難を応酬している。マスコミを使ったり、ブログを使ったりして…、靴の上から足を掻く分かりにくさをやめるべきだ。芸能人の醜聞そのものだ。

 政治家としての品格など元々なく、教養や真面目さからくる政策の立案と実行で有権者に訴えるのではなく、親しみだけを訴えて当選している。親しみを持たれるためには、有権者の前で水もかぶり笑わせもする。一方で夫婦の国会議員が金をばらまいて人気すなわち票を買う。議員本人しか葬式に香典は行ってはいけない公選法の決まりを破って秘書に配らせていた衆議院議員はやめる羽目になった。公職という国民に成り代わって行う仕事だから、人は尊敬したり、信頼する。だが、これらの政治家とは呼び難い人物は、物笑いの対象としてもっと叩かれたり、もたもたして呆れられることによって、国民が政治教育されるようになってほしい。

2021年6月11日 記