2021年6月21日掲載

行け行けどんどん

 かつて日本が第二次世界大戦に入った時の標語がこれだ。

 前進あるのみ、立ち止まることは敗退することと言いたげな国民総動員運動である。

 今、オリンピック、パラリンピックの開催は全く同じ状況である。医師会会長は、実施するなら無観客と医学的な立場から警告している。だが国際オリンピック委員会は強硬実施を主張する。それに便乗する形で日本の組織、菅内閣、小池知事も川淵三郎元日本サッカー協会会長もマスコミに開催の協力を求めている。要するに開催推進の記事を書けということだ。強気である。この集団心理の根底は、「行け行けどんどん」の強気、現状推進である。

 外国の選手に感染者が出た。検査をしてきたのに、である。政治の力で実行して国際的にコロナが広がり、死者が出た時に開催した我が国に責任はないのだろうか。平和の祭典のはずのパラリンピック、オリンピックが死と混乱の祭りになる危険は十分ある。川淵元会長はともかく、公的立場である菅総理、小池知事に中止、延期など今の時期の開催を避けることを主張してきた我々は二人に堂々と今の職の辞任を要求できる。国民の健康を保証できない国や都の政治は間違っているし、それを担う政治家はまさに結果責任をとるべきである。

2021年6月20日 記