2021年6月29日掲載

小池都知事の静養をどう読む

 6月22日から小池都知事は静養している。入院かもしれない。公職にいる人間が問われたら公務に関する限りは答えることは当然である。だが彼女は何の情報も出さない。

 色々な憶測が飛ぶ。26日から始まった都議選とのかかわりを避けるため、本当に過労のため、コロナが鎮静せず、オリンピック・パラリンピックの実施などなど。どちらにしても自分で自分の情報を操ってマスコミ、都民をあやつっていることには違いない。誰もがすっきりした感じを持たない。自分が作った都民ファーストなる、アメリカ・ファーストの二番煎じを打ち出して批判力の無い都民の絶賛を受けて都政を牛耳ってきた。だが浮き草のようなこの政治集団では、心もとない、とみて都議会の自民、公明と握手をして議会運営の盤石を期した。

 彼女はこの都議選中、自分の政治集団には応援の顔を出さないだろう。彼女を頼って選挙に出た人は応援してもらえないということだ。もともと小池人気で受かった今の現職も、自分の党の不人気では当選できないとして、乗り換えた現職に過ぎない。まして今回の新人は、小池都知事の風を期待する笹船に過ぎない。小池都知事は自分のために都民ファーストを投げ出すことになるだろう。そして、再び都議会は自公のなすままに動くようになる。そして、小池都知事も持ちつ持たれつの関係に入っていくことになる。絶対多数の都議会は小池都知事と二人三脚の小学校の運動会を演ずることになる。

 議会対策もさることながら都民の健康と命にどう向き合うのか。部分と全体の関係である。大切な時期に心理葛藤で現場に出れない指導者は、本当の頼れる指導者ではなく飾り物の人形にすぎない。

2021年6月28日 記