2021年7月23日掲載

政治の力と怖さ

 かつて人気作家でもあった青島幸男都知事は、公約に東京で開かれる直前の都市博覧会を掲げて当選して中止した。今回の東京五輪・パラリンピックとは性質は異なるが、国際的な行事をやめている。進めてきた政党、関係団体は困惑したが世の中は、時と共に忘れていった。

 今回の件も同じである。そんなに暇ではない。中国と日本を間違えるなど日本を知らないバッハ会長が、広島に行ってとって付けたように献花したところで被爆者には伝わらない。

何しろやること、実施することこれが至上命題である。登山で道に迷ったら引き返すことと言われている。誰もが口にする。でもその時になるとできない。だが選ばれた人間はできなければならない。それが仕事だからだ。進めるのも権力、力、止めるのもおなじだ。政治、政治家の存在の原点がいま問われている。青島都知事の決断を知る人はいないのか。

2021年7月18日 記