2022年3月17日掲載

勇気のある行動、オフシャンニコワさん

 14日のロシアの国営放送のテレビでニュースの放送中に戦争反対、情報を信じてはいけないなどのプラカードを持って主張した女性がオフシャンニコワさんである。

 ニュースを見て一瞬、何が起こったのか、と思った。すぐに中国の天安門事件に抗議する人が戦車の前に立ちふさがった映像を思い出していた。

 誰もが出来る行動ではない。一億総評論家の情報化社会で、行動することの困難さがどれほどか忘れがちである。まして自分のことではない国、社会のことで命を懸ける行動は簡単に称賛されるべきではない。言葉が軽くなってきた現代では、口先だけの驚きに溢れている。

 戦車の前に出た人は、中国から抹殺されたのかもしれない。その後の消息は伝わってこない。今度の女性も当面、罰金刑で解放されたが終身刑の可能性もあるという。

 政府を批判すると終身刑という不合理が、民主主義にあるわけがない。民主主義は批判が大切な肥やしである。先に書いたが、プーチン大統領は明らかに精神異常の状態にあると言える。国、国民よりも自分の独断に酔っている風である。オフシャンニコワさんのプーチン大統領への勇気ある裏切りが、一人に終わらず次々と続くことを期待したい。彼女の勇気を自分にも課していこうと思う。思わず背筋がピンと立った。

2022年3月16日 記