2022年4月15日掲載

情報の中で麻痺する平和感覚

 コロナ、北京オリ・パラ、ウクライナの戦争、新年度と矢継ぎ早に目の前に出てくる社会変化。私たちの平和と戦争に対する印象が、ぼやけ始めてきてはいないか。

 私だけかもしれないが、キーウで300人の市民が殺された、と言っても頭の中を数字が素通りしていくだけだ。頭を弾丸でふきとばされ、血の中で放置される遺体。まったくその場にいる感覚がない。これを麻痺と言うのだろう。

 コロナで一日に50人、60人死んでも何の悔みの感情もわかなくなった。頭を冷やして今同じ世界で起こっているロシアの蛮行、人間の行動とは決して思えない行動に怒りと共に、ロシア不信、プーチン不信が世界中に広がった。ウクライナで人殺しをしておいて、ウクライナの自作自演と言う。この厚顔無恥をどう理解したらよいのか。精神病学者に問いたい。しかし、プーチン大統領を精神病にしたら、この目の前で起こっている戦争犯罪の罪を問えなくなる。

 プーチン大統領は正気で虐殺計画の指示を出している。この一方的にロシアが行っている国際的な大量殺人を裁く、国際法廷でのプーチン大統領の言い分をぜひ聞いてみたい。私たちは麻痺した感覚から醒めなければならない。

2022年4月10日 記