2022年4月24日掲載

ようやく動き始めた放送界

 4月17日までに放送倫理・番組向上委員会が、バラエティー番組などの罰ゲームやドッキリ番組などの「痛みの伴うことを笑いの対象とする」番組は、青少年が真似ていじめに発展する危険性がある、として意見を発表した。

 放送界も芸能界の一部と言えよう。映画監督が女性俳優に体を要求して、出演させて問題になっている。放送界も芸能界も異界の世界である。かつて正常、まともな世界では放送界、芸能界を区別していた。異界は当たり前、当然であっては存在できない。あえて奇天烈な言動こそ両世界の心臓なのである。放っておけば、どこまでも異常世界は成長する。視聴率、人気がすべてで収入につながる仕事なのである。

 具体的な例を挙げる。『笑点』という番組がある。落語家が笑いを求めるものである。人気がある。しかし、私は今は見ていない。その理由はこうである。かつて桂歌丸が司会をしていた。そのときに今の二代目円楽が、歌丸を骸骨、死に損ないなどとけなしていた。子どもたちが見る時間である。いい影響があるわけがない。色々な人が見聞きする、テレビでの影響を考えたら笑いとは別のゆがんだ影響があると思ったからである。私は不愉快な思いをしたくないので、もう20年は見ていない。

 今度の放送倫理・番組向上委員会の意見を、関係者は頂門の一針として受け止めるべきである。

2022年4月18日 記