2022年6月5日掲載

いま権力の事実を見せつけられている

 プーチン大統領の狂気はとどまらない。精神病と言うと後から、戦争犯罪人として裁けないので常軌を逸した人間としか書けない。毎日、他国を爆撃して破壊し殺人をして、ネオ・ナチの撲滅だという。それも旧ナチスのヒトラーに勝利した5月を選んで、自分がヒトラーとなってウクライナを壊し、殺している。その言い分が新しいナチすなわちウクライナの撲滅だというのだから、正常ではない。考えてみればこの伏線はあった。自分が無期限に大統領にとどまれるように憲法を変えたり、異論を抹殺したりまるでスパイ映画のように国を篭絡していったのだ。ロシアには民主主義がないことが分かった。デモ、侵略に批判しただけで投獄される。戦前の治安維持法よりもひどい。

 いま、政治につきものの「政治権力」を分析し現在の政治学の根底を作ったC.E.メリアムの「メリアムの教育」を出版すべく、校正している。一方で、政治の深奥である戦争を極限から見ている。学問と現実の狭間を生きて体感しているわけだ。プーチン大統領はヒトラー大統領と重なる。それにつけてもロシア国民は政治、権力の恐ろしさを知ったはずである。いい政治教育である。中国の習政権、北朝鮮の金政権も同種である。他山の石が三個身近にあるということだ。

2022年5月25日 記