2022年8月15日掲載

故安倍元首相の葬儀に半旗の通達 東京都の判断の危うさ

 この8月6日に明らかになったことである。7月11、12日の元総理の通夜、告別式の日に東京都は、都立校255校に半旗の要請を行っていたのだ。今頃になって明らかにするマスコミ情報の甘さは何をかいわんやである。

 すでに自治体では帯広市、川崎市が半旗を実行し問題になっていた。都道府県では初めてであろう。自治体であるから首長の意向、判断が大きく反映される。小池知事の姿勢が表われたものと言える。
 自殺者まで出した事件の解明の、対象者でもあった安倍元首相。まだその真相解明が途中であるのに、公の自治体が弔意を示す。現職国会議員が、それも元総理が銃撃されたという痛ましさの感情が勝って、半旗の掲揚になったのだろうか。かつて日本人は空気で動かされると言った評論家がいた。空気で戦争になだれ込んでいった国民と言うのだろう。

 いま世界の空気を伺うと、強権支配のロシア、中国、ビルマ、北朝鮮などがこの時にとばかりに連携して協力して自分たちの正当性を主張している。

 この大きな流れと都の半旗問題は繋がっている。教育の場に突然に政治家の弔いの話が出たのだ。大きな政治の問題と自治体の教育が繋がって、政治に教育が利用されたとは言えないのか。18歳から選挙権を持った高校3年生はどんな感想を持ったのか。都の警察、消防にも同じ要請があったに違いない。わたしは確認していないが当然あったに違いない。都知事は安倍元総理の国葬に疑問をもつ国民が、都民が過半数を超えていることを承知なのだろうか。空気に流される国民、政治家が多いことの危険を感じる。

2022年8月9日 記