2022年9月17日掲載

オリンピックを食い物にした者ども

 オリンピック精神を説いたクーベルタン男爵は今回の東京オリンピック・パラリンピック・スキャンダルをどう見ているだろうか。かつて日本はイベント国家だ、と言った私はやはりそうなのだと、変な自信を持った。

 国際オリンピックの委員会にも胡散臭いにおいがする。オリンピックという誰もが批判できないお祭りを、利用しようとする国、会社が群がった結果である。世界中の人々が、スポーツの限界に挑戦する人間の姿に感動しようとして期待している。誘致をしたい国は競技場などの建設、人材育成などに投資をして成果を得ようとする。この投資が民間の景気を刺激して、好景気になる。かつての東京オリンピックはそうであった。

 この時はともかく今回のかつて電通と言う広告会社の幹部であった人間の経歴を生かした収賄である。それにアオキとか角川書店の幹部も関わっていたことが明らかになり、逮捕される騒ぎである。スポーツの祭典どころか収賄の祭典である。後味の悪いオリ・パラであった。また今度、冬季のオリンピックに手を挙げている。この時点でもう贈賄、収賄の動きは始まっていることだろう。アオキ、角川がいなくなれば自分たちの可能性が増えると、ほくそ笑んでいる企業があるに違いない。スポーツを食い物にしないで、素朴に楽しんでいる人間にはオリンピック、冬季オリンピックは全く関心がないのだ。ほとんどの国民は今回のスキャンダルから何も学ばずに、自分の体を動かしてスポーツをするより、テレビの前で楽しむ娯楽を期待するだろう。残念である。

2022年9月14日 記