2022年11月30日掲載

クオータ制と帝京大の女性優先のゼミ生募集のお粗末

 帝京大学のゼミの学生の選抜に、女性は無試験で合格させるとした指導教員を、大学は地位を悪用した可能性があるとして調査委員会を設置したという。教員の行為はもとより許されることではない。だが女性を優先させるという風潮は、いま我が国では主張の主流ではないのか。

 私はそれには批判的だが、政治を始めあらゆる組織で、女性のクオータ制という、あらかじめ女性枠を確保するという差別を容認した論理がある。それからすれば、非難に値しない。この教員は女性優先という観点で発言している。いま世論に一貫性をもたせるとすれば、何ら問題はない。だがこの教員のお粗末なのは応募してきた男子学生の名前を見て女性と判断して連絡をさせて男性とわかりゼミ生としなかった。そこで学生が大学に連絡して事態が発覚した次第である。

 世相や好印象を狙って振舞うとこのように破綻するのだ。男女を問わず、実力主義で選別すればよいのである。矛盾は必ず破綻するのだ。男女共に差別、逆差別なく公正に機会を与えればよいのであって、その環境を整え、それに基づく政治、社会の構築が近道といえる。

2022年11月28日 記