2022年12月26日掲載

権威の責任は厳しく

 警察官、裁判官、検事、政治家、教育者などは、その職分から人に指示、指導、束縛などを与える権能を有している。これらの人間はその身分を得るために試験が義務づけられていて、試験で適性が判定される。これらの職は公務であるから、税金が彼らの収入である。

 その人間が、万引きをしたり、女性隊員に性暴力をおこなったり、助成金を不正に申告したりすることが目立ってきた。そして被害者が告発しても、組織内部で隠蔽し、表沙汰を避けようとする。これは権威が傷つくからであろう。もともと実体のない上辺を取り繕う完璧さを演出する権威など何の役にも立たない、裸の王様なのにそれを墨守しようとする。お笑い草である。何よりも人間の本能からくる性欲、金銭欲、名誉欲に負けるのである。

 欲望に動かされるような人間はこれらの職業には向いていない。人間には色々な性質、性格があるのだから職業選択を真剣にしていれば防げるところもあるだろう。元自衛隊員の実名を挙げての告発の経緯など自衛隊はどう釈明するのか。薗浦国会議員のパーティー費用の選挙資金費計上など、自分の辞職と取引して罪の軽減を図ろうとするものであろうか。

 いわゆる公職の持つ権威が、庶民が先生と呼ぶ人間たちの薄汚い内実が見え見えでこの年末にきてすっきりしない気分である。

2022年12月20日 記