2023年2月10日掲載

オフレコとは、素直すぎた首相秘書官
「見るのも嫌の性的少数者差発言」を考える

—首相秘書官がオフレコのマスコミとの発言で辞職する—

 オフレコとは記録をしない、記事にしないという情報提供者とマスコミの約束のもとでの取材を言うのではなかったのか。もしそうだとすればこの秘書官は、約束を破られた被害者になる。

 もともとマスコミと取材を受ける側との関係は、取材する側が何とかニュースにしよう、他社よりも早く伝えたいという競争のやりとりになっている。であるからマスコミは、取材対象者に接近して情報を得ようと内輪話、本音を引き出そうとする。特に建前と本音を使い分ける政治の世界では、気心の知れたマスコミに、「じつは…」という本音を言う場合がある。

 昔のことであるが、マスコミ各社は政界の幹部に対して中曽根番とか、竹下番いう専属の記者を置いて対応していた。

 読売新聞の大幹部であった渡辺恒雄は、自民党大野伴睦番で特ダネをしばしばモノにしたと言われている。その代わり大野の都合の悪い報道の便宜も図ったという。癒着である。オフレコの汚れ海の中で記者生活を送ったに違いない。いまは時代が変わったといわれるかもしれないが、報道の通りオフレコが事実だとしたら、この秘書官はあまりにも素直な秘書官だったと、後輩の記者から揶揄されるに違いない。

2023年2月5日 記