2023年3月12日掲載

総務省と高市元総務大臣にかけられた王手飛車取り

 いま藤井聡太と羽生善治の名人戦が話題だ。最年少の6冠が誕生するかもしれない。そんな時、国会では王手飛車取りがかかっている。将棋の駒によっては四方に、二方に効いてどれかを取れる駒がある。銀は5,金は4、飛車、角、銀は4、桂馬は2方向などである。

 放送法の政治関与の問題で、民放のある番組が偏向していると思われるので、個個の番組でも規制するという解釈をしようという文章が当時の高市総務大臣の時にあった、という文書を総務省の官僚から得たと野党の議員が国会で追及したことから始まった。

―高市経済・安全保障担当大臣の安倍元総理のような言いぶり—

 高市大臣は捏造だ、と言い張る。それが本当なら議員を辞める、と師の安倍元総理のようなことを言う。ここにきて総務大臣は、総務省の官僚の作った文章で、捏造されてはいないという見解をだした。さあ、どっちが事実なのか。捏造されているのか事実なのか。

 この説明責任はどちらにしても政府、自民党の中で整理して国民に説明する必要が出てきた。高市元総務大臣はもしその文章が本当なら議員を辞めると言った。かつて安倍総理もそんなことを言った記憶がある。安倍信者であった高市大臣は、頭にこびりついた安倍元総理の格好のよい啖呵を思わず吐いてしまったのだろう。

 とにかくこの王手飛車取りはどちらか、すなわち高市大臣か総務省すなわち岸田総理、岸田政権のどちらかに致命傷となるであろう。

2023年3月11日 記