2023年6月17日掲載

政治の基本が問われている

 プーチン大統領の戦争犯罪、トランプ前米大統領の機密情報隠匿犯罪。大国の指導者の傲慢と言える行為は、民主主義がいかに人の善意を前提にしているか、ということを伝えている。コロナ感染の危険の中で起こっている愚かな事件を、これからの地球人として受け止めなければならない。コロナによる自分の死、プーチン大統領の正常ではない核使用の危機。両方を、私たちはあたふたしながら、見つめている。政治とは何か。私たちに安心を与えるはずのものだ。いま安心はない。そこで政府は、安心を確保するために、防衛費を増額して高精度の防衛機器を持とうとしている。歯には歯の論理である。それは日本のとる道ではない。日本国憲法の平和主義は、腕をこまねいて維持できるものではない。平和は作るもの、作り出すものである。小さなことから正していく、それには毎日の生活が平和思想に基づくものでなければならない。平和思想とは相手に拒否する自由を認めること。無理強いしない。

—やさしさと急がせない生き方—

 昔も今でもそうだが、落とし物をしても戻ってくる日本、という印象がある。外国人は驚く、日本人も驚く。でも落した人の慌てぶり、困惑ぶりを自分の経験から私たちは知っている。また交番に行くと届いていたことも経験している。そのつながりが私たちの財産ではなかったのでは?!。やさしさだ。思いやりだ。お金にも体力にも個人差がある。一律には考えられない。そんな時に山登りの鉄則にあるように、一番疲れている人、弱っている人のペースに合わせる。国も同じである。強い人は前ばかり見て、後ろを見ない。政治は国民をゆったりとまとめていくことだ。ゆったりとまとまっていること、それが平和ということ。日本国憲法の太い柱。どんなに時代が変わっても、政治の変わらない役目である。

2023年6月14日 記