2025年3月2日掲載
三島由紀夫と丸山才一の生誕100年の残すもの
今年は二人の作家が生誕100年。一人は三島由紀夫、一人は丸谷才一である。二人とも芥川賞を受賞している。好きな読者も多い。しかし生き方はまるで違う。一人は民間軍隊を作り、一人は戦争逃亡を書いている。
私は両者に関心がある。三島は思ったら、行動に現すということで自死した。陽明学である。丸谷は生きて、文学を模索した。三島の行動に現す思考方法は、私の仕事であった政治が学問と行動の共作ということでつながる。書斎にこもった政治家は信じられない。
丸谷からは「思考のレッスン」という本から、考え、読み、書く工夫を学んだ。一人は50年、もう一人は20年以上の異次元の影響を受けている。人の生誕あるいは死から遡及してその人物の生きた時代を問い直してみる。彼らの与えた自分への影響を考える。私の姿が自分にもおぼろに闇の中に見えてくる。
2025年3月1日 記