2015年9月19日掲載
学芸員講座のひとくち15
9月17日ですべての講義が終了しました。
専門とする日本絵画史では、江戸時代の画では、見立てがあって漢詩の再現などが画に隠されています。
それを見て解くという面白さが西欧の画と比べてあります。西欧では聖書からの見立てぐらいでしょうか。
機知といっていいでしょう。なるほどといわせる頓智の一休問答のようなものです。それと取り合わせなどが俳句にもつながってきています。それぞれの流れが一本に合わさって日本絵画史、日本文化となります。
そんな具体的な事例を短期間に学びました。
これからそれぞれの科目で行われたテストの結果が10月の半ばに発表となり、合否が決まります。合とした場合のことです。
(1)私は都内の博物館、美術館、動物園、植物園などを総合的に学芸員の目で再検討します。
そして観客を満足させるための工夫、観客への要求なども提案します。
(2)訪日した人人に日本の歴史、美術の集積である江戸東京博物館、東京都現代美術館などを積極的に知ってもらう政策を提案したい。
(3)学芸員の地位、立場を確立したい。そのために学芸員が力をつける場所、機会を提供したい。
(4)立場、年代を越えて生き方、美、歴史、伝統を理解し守っていく堅実な都民、国民となれるよう博物館、美術館行政を生かしていきたい。とくに視覚障害者の絵画鑑賞への道を開いていきたい。
終わってみて学生に戻り社会人、学生と勉強してみて驚くことがありました。ある学生が政治とかかわりたくない、と明言したことです。生彩のない態度で、意欲のない学生が、それにしても目につきました。社会人の意欲、知識、生き方への探求力には驚かされました。特に女性の積極的に自己改革、改造の精力には目を見張りました。これから通学できなくなる寂しさがあります。
同年齢の人人が経験できなかった「留学」をこれから生かしていきたいと思っています。
2015年9月18日 記