2013年3月5日掲載
露伴シリーズ、第2弾脱稿!!
―『一国の首都』、江戸、東京論の現代語訳―
幸田露伴が明治32年に著しました。江戸幕府から明治への政権交代に関わる東京改革案などを、作家とも啓蒙家ともいえる露伴が警告する諸政策が明示されています。
『努力論』現代語訳が好評です。本書が近代合理主義の欧米主導への批判で貫かれていることを考えると、国民、都の自覚を要求する露伴は自然主義といえます。
『一国の首都』は、住民の好尚すなわち世論を取りあげているところもあり、好尚にもいろいろあるとして偏らない均衡を取っています。文明批評ともいえる本です。
幸田露伴の人間解剖という面もあり、多様な側面を持つ魅力が一つ世に出ることになると期待しています。
2013年3月7日
和田宗春 記