2013年6月26日掲載

口と又で大違い

—漢字のふしぎ—

 私は自著にサインする時に、「恕」と記します。私は何も意識せずにいたのですが、ある時、ある人から「この怒は“おこる”という他の意味があるんですか。」と不思議がって尋ねられました。

 一瞬怪訝に思っていますと、私のサインの口が又に見えたのか怒と読んでいたのです。

 恕はおもいやり、同情心のことです。

 怒はいかり、おこることでまったく意味が違います。

 毛筆で乱暴に記しますので、又も口も区別がつかないようになっていたのかもしれません。私の不行届でした。

 それからはっきりと又と口の差がつくように記すようにしました。

 小さなことですが、漢字のこわさ、微妙さをあらためて知らされました。いつまでたっても勉強、勉強ですね。閑話休題。

2013年6月25日 記