2014年6月5日掲載
ボストンとシカゴに行ってきました。
5月の初め10日間ほどアメリカのボストン、シカゴに行ってきました。それぞれアメリカ発祥の地、産業の結節点といったアメリカにとって大切な町です。
シカゴは私がC.E メリアムの都市政治論を翻訳した『シカゴ』の現場です。メリアムはシカゴ大学のシカゴ学派を作った教授で、政治、政治哲学が専門です。
私はほかにメリアムの『社会変化と政治の役割』も翻訳しています。3冊目の翻訳のきっかけとなる『C.E メリアムの教育』の原文を入手するためシカゴ大学図書館に行く目的がありました。
3日間に渡って手伝っていただく人もいて、100枚以上の写真コピーをとってきました。この翻訳は文京学院大学の『紀要』に発表予定です。さらにシカゴには社会福祉活動家でアメリカ人女性初のノーベル平和賞受賞者のジェーン・アダムズの「ハル・ハウス」を視察できました。所得や出身国で移民してきた人々の家を色分けして改善してきた足跡の資料や質素な寝室を見て、厳しい社会状況の中での努力に感心してきました。軽々しい人道論ではなく抵抗をはねのけてシカゴ市民を中心にした生活を守った彼女にあらためて頭が下がりました。
私も『シカゴ』を訳していてその文中で彼女の偉業を知りました。
2014年6月3日 記