2013年5月29日掲載
横浜市の待機児童ゼロは
―保育の質が大切―
横浜市は3年前の待機児童全国最悪から、ゼロになったと4月に発表しています。
もともと保育所は自治体が運営してきましたが、民間参入が始まってきていました。
厚生労働省によりますと昨年4月までに株式会社が運営している認可保育所は全国で376園ということです。このうち横浜市は今年4月で152園となり、市の認可保育所の4分の1を占めています。市は積極的に民営化を進めてきました。
民間企業の参入が待機児童ゼロの裏にあります。営利が目的となるので問題も出てきています。保育士の入れ替わりが激しく、労働環境の点検、決算書の公開、行政の監視も必要です。現に国の面積基準では、はいはいする前は一人1.65平方メートル、はいはいし始めると同じく3.3平方メートル以上確保しなければなりません。生後8カ月ごろで、はいはいを始めるため、受け入れ当初から3.3平方メートルを確保しておかなければなりません。横浜市でもゼロ~1歳児の面積を一律2.475平方メートルで認可してきていました。愛知県で詰め込み保育で死亡事故が起き、厚労省は一昨年から3.3平方メートルを守るように各自治体に通知しています。
働く女性の立場から保育所は数を増やさなければなりません。しかし質を落としていいことにはなりません。民間運営も否定しませんが、利益追求が前面に出てくると子どもの保育の基本である人間性の発達と関わる仕事と矛盾します。あくまで子どもは営利対象ではないという保育が求められます。
横浜市の場合、待機児童ゼロの内容が問題です。
2013年5月28日 記