2013年5月31日掲載
マークシートを見直す
―記述式に変える―
マークシートという言葉を知っていますか。高校や大学を受験した年代によって知っている人と知らない人がわかれると思いますが、入学試験の回答方法です。ベビーブームで生まれた子どもたちが受験生になった頃から導入され始めました。機械ですぐに採点ができて合格結果が出るため、併願した他の大学の発表前に入学を決められ、採点作業にかかる人件費も節約できます。
マークシート方式は大量の受験生を処理するために選択肢から番号を選んで答えを当てるだけです。表現する論述力を必要としないのです。説明、解説する能力を求めていません。出された解答群のなかから正解を選ぶマークシートは簡便すぎて、運も左右する方式です。
しかしこれからは少子化が進んで受験生も減少してきます。1991年から2011年の20年の間に大学が514校から780校に増えた半面、現役受験生となる18歳人口は204万人から120万人にほぼ半減し、推薦入学などの枠も拡大していて一般入試の受験生は大幅に減少しています。
マークシート方式に対して従来通りの回答方式は記述式や論述式と呼ばれています。今年の桜美林大学の入学試験では数学でこの記述式を復活させました。
記憶にたより技術優位の入試のもたらす弊害をなくすためにも手間のかかる論述方式に見直すべきです。
2013年5月29日 記