2013年6月29日掲載

最古の「いろは歌」が書かれた土器、発見

—いろは歌留多の政治風土(和田著)のもと—

 これは驚きました。弘法大使が、五十音として組み合わせた平仮名の歌とされる「いろは歌」が、平安時代の貴族藤原家の邸宅跡である「堀河院」からほぼ全文が墨書きされた土器で見つかりました。

 いままで最古といわれていましたものは1376年ですが、今回見つかったものは1200年前後といわれています。京都市埋蔵文化財研究所が発表しました。発見場所は貴族邸でした。それから600年たった江戸時代には庶民の学習にも広がっています。

 日本人の世界に誇る識字率のもととなっているいろは歌は、わが国の教育文化の根幹といえます。

 寺子屋などでは書き、唱えることで一般化していきました。

 かつて『いろは歌留多の政治風土』という本を出しました。いろはのいは『犬も歩けば棒に当たる』というもので、解釈は二通りあります。動かないと何も得られない、というのと動けば何らかの障害に当たる、というものです。この二様あるところが庶民の戒めとなり、励ましとなる妙といえます。

 いわゆる世間をわたる時の庶民の知恵がここにあるという理解のもとで本にしました。いろは歌といろは歌留多は日本人の精神性、教育に重要な働きをしているのです。

2013年6月28日 記