2014年1月15日掲載

細川元首相と都知事選挙

—幸田露伴の「一国の首都」と今回の都知事選挙—

 東京都はいうまでもなく日本の首都です。

 これは昨年の6月に出版しました幸田露伴の「一国の首都」に明らかなように、都民が首都や首都の住人を自覚しているのか、と問いかけています。

 その自覚のありようは、気高く日本や東京の蓄積した知識、知恵を大切にしていくことといっています。

 しかしながら、その手法については極めて合理的、謙虚に語っています。幼児教育を重視して、神社の広い境内を幼稚園に開放するべしとか、舗装していない泥の道の馬車などへは車輪の幅によって課税を軽くしたり重しくしたりするべきといっているのです。

 旧幕臣であるという偏りを考えても合理的な東京都のあり方を唱えています。

 

 細川元首相の都知事選出馬があるとすれば、幸田露伴のいう東京人、都民の自覚を喚起するところから始めるべきです。

 第1回の東京オリンピックに続く第2回東京オリンピックであってはなりません。

 当然時代も変わり、特に東日本大震災以降の都政の関わりを見れば脱原発などで、国の発展の背に乗った第1回と異なるのは当たり前のことです。そうしなければなりません。

 小泉元首相と合意するのであれば、それもよし。また民主党が推すとかしないとかの問題ではなく、安倍政権の現状を解決せずに視点を先にずらすことで国民を眩惑している詐術に気づくべきです。国民、都民の前に横たわる最大の課題である原子力エネルギーを基幹とした日本、東京の屋台構造を礎石からつくり直すことなのです。

 その礎石の上に福祉、経済、雇用、教育、国際協力などが築かれるのです。国家主義をめざす、自公政権に向けて、現段階で「否」といえる選挙は都知事選挙しかありません。もとより名護市長選も大切です。

 細川元首相は「一国の首都」の自覚を都民に訴えるところからはじめて、成功をめざすべきです。幸田露伴の「一国の首都」は誇りある東京のために書かれたものです。

2014年1月12日 記