『努力論』が発売されました!

―和田宗春訳の考えさせられる本―

 この欄でもお知らせしてきました幸田露伴の『努力論』が11月25日に発売されました。

 1800円+税です。現代では努力という語も遣われなくなっています。

 手にマメをつくって、額に汗してということもいわれなくなりました。職人芸、職人技、手づくり 仕込み 寝かすという語もそうです。世はすべて効率、スピード、要領よく、で動くようになりました。それだけ心や魂の入った物や仕草はできなくなったのです。

 この本のなかで福を惜しむ、分ける、植えるということが取り上げられています。

 いまある福すなわち自分にいまある有利さ、富などを遣いきらずに残したり、人に分けたり、新しく殖やしたりすることをいっています。

 惜しむこともよいのですが、さらに分ける、植えるという風に段階をつけて露伴は評価を高めていきます。そうすることで人格も備わってきて、人生で仕事ができる、というのです。

 その他に思い切りよく覚悟を固める必要性とか、気についても書かれています。

 パソコン、スマートフォンとはまったく反対の思考です。腰をすえて軽きに流されない、生活態度をつくるためにも努力は再評価されるべきです。

 和田事務所でも取り扱っています。御注文下さい。四六判280ページ。

2012年11月24日 記