2015年2月9日掲載
和田宗春の教育1
—中学校の教育剣道(1)—
2月4日から15日間、52時限に渡って中学校の体育の剣道授業の指導に当たっています。剣道部の指導と授業を合わせて約10年になります。また私立小学校の剣道クラブの指導は25年間続けてきています。
剣道、武道を教えるということを通して人間教育につなげる、ということを考えたい、伝えたいと思ってこれから綴ってまいります。
2月4日(水)1時限目、2年1組、3時限目、1年4〜5組、4時限目、2年4〜5組。武道場。1年生には剣道の歴史、文化を知ってもらうために居合道で使っている真剣、木刀、竹刀を持って、殺人の道具が競技まで変遷してきて、付随して文化様式も整ってきた説明をしました。とくに生徒が希望すれば重い真剣を持って刀を感じ取ってもらいました。「うぁ」「重い」「切れそうだ」「光って冷たいように見える」「すげぇ」等という感想がありました。
私からは包丁、ナイフは野菜を切ったり、キャンプで木を切ったりする時は生生としているが、人を傷つけることで包丁もナイフももともとこの役割ではないこと、もちろん刀も当然で文化財としての価値を認めようということを伝えました。
そして1年生には腰から15度、30度折る立礼、背筋を伸ばした座礼の必要性、それは生活をする上での様式を整えるため、道場への出入りの立礼、雑巾がけの意味、スポーツと武道、剣道の相違は様式、型式、精神性ということ等を動作として模範を示し、生徒も模倣しました。
2年生はすでに昨年10時間以上、立礼、座礼などを経験していましたが、復習し、竹刀の握り方、素振りをしました。
竹刀を握る際は小指、薬指を締め、他の指を緩めることは、テニス、野球のラケット、バットの握りと同じで、体の均衡を保ち速度をつけるためには小指の方を動かす腕の下筋といわれる側の運動が効果的であることを教えました。
1年生が3クラス、2年生が3クラスあって金曜日にすべてのクラスが1回目の授業を終わります。1年生が剣道授業を不安と期待を持って参加しているはずです。不安をなくし期待を大きくふくらますことができるような授業を教師とともにすすめていきます。今日嬉しかったことが2つありました。1つは昨年一緒に授業した講師のAさんが私立中、高校の講師になっていって、私との協同授業が印象深く感謝していると人伝に聞かされたこと、もう1つは雑巾がけのための道場の出入りで立礼する時に私が一人一人に声をかけていたことに生徒に細かい心配りをしているとして生徒に紹介していたことです。
この先生こそ細かいところを見ている先生で生徒から慕われるはずだと思いました。さあ2月5日、2日目の授業が始まります。
2015年2月5日 記