2015年2月19日掲載
和田宗春の教育1
—中学校の教育剣道(8)—
2月16日(月)
1時限目、4回目、1年1・3組
立礼、座礼、雑巾がけ。
防具つけに時間がかからなくなりました。人員が多いのでどうしても絶対的に竹刀を持つ時間が少なくなります。しかし丁寧に防具をつけることはマジックテープやファスナーとは異なるもの。指先、掌の微妙さを伝えます。
また正座して、立て膝をしてつけることの大切さも、竹刀を持ち、防具をつけた時の面鉄を通して見える範囲の制限と見づらさに慣れること、面布団での耳の聴こえ方が通常と異なり困難になることも自覚させて先生の指導、指摘に一層注意を向けること。このことを何度も繰り返します。
面打ちの竹刀の物打ちで打った手の感触はそれより先や手前とは違う手ごたえのもの、力を入れなくてもある種の音が聴こえることを教えます。両手の位置が低くなってから面に当たると相手が痛い、右手は肩、左手はそれより低くというおさまり方を教えます。形を作ってからそれに動きをくわえる剣道の特徴を説きます。
2時限目、4回目、1年2組
立礼、座礼、雑巾がけ。雑巾がけで足が滑り、前に進めない生徒がいます。今まで見てきて、他の生徒から冷やかされている様子。そこで、雑巾をしっかりしぼり、両手に力を入れ、体重をかけて腰を高くするようにいってみると前より数メートル前進。本人も自信を持った様子です。
防具をつける時から、隣りと私語をしないで授業に集中することも注意。こちらも全員を見て指導して、常に体を動かし、見ています。
正面うちの姿勢、体重、重心などの注意、竹刀の振り上げ、振り下げの二挙動。右足、左足の一挙動をつなぐ腹筋、背筋の体幹の大切さを伝えます。竹刀をはやく振るための体幹のあり方を説明。正面の打ち抜けの時には、互いに立った時から、相手の目を見ること。始礼、終礼は15度の立礼でその後に注意力を全開させることも強調。
5時限目、2年2・3組
6時限目、2年1組
立礼、座礼、雑巾がけ。
防具つけで遅れる生徒が各クラス特定されるようになり補助。面打ちの前に15°の始礼、終礼の意味を徹底します。携刀、三歩前進、蹲踞、小さく一歩送り足して面打ちを相互に4往復、大きく気合をかけて、相手の目を見て打つこと。さらに切り直しの説明。正面、左右面、打ち抜け、残心。とくに残心についてはスポーツ、他の武道にない体と心のあり様なので理解を求めます。左右面は左手を正中線に置いて右手で両側の面紐を打つ気分で打つこと。前へ4歩、相手の正面から、後退も左面から5歩を徹底して、打ち急がず面を打った感触を確かめながら切り直すと説明します。
とくに左右両方の肩の筋肉を使って打つことが、姿勢を正しく、美しく使う秘訣といいます。生徒は手先で打つこととの差がまだわかっていないように見えます。
2015年2月17日 記