2015年2月20日掲載
和田宗春の教育1
—中学校の教育剣道(10)—
2月18日(水)
2時限目、5回目、1年4・5組
立礼、座礼、雑巾がけ。防具つけ。まだ数人の遅い生徒がいます。授業の効率のため、教師と私で面紐、垂れ紐などを手助けします。結ぶ、結わくという習慣がなくなったせいか、緩い結びになって授業が停滞します。一人はクラスのために、クラスは一人のために、といい、そのために自分の防具つけは責任を持つことを強調します。切り返しの繰り返しで左右面は面紐の上を打つつもりで、竹刀の刃筋を説明。肘、手首を伸ばし、肩を使うことを再説。
早くなくとも確実に打つこと。背筋を伸ばし、息を吐きながらメンの気合を強く出すこと。元立ち、かかり手の呼吸が会うこと。人間関係と同じでそこに連携が生じると説明。
送り足を確実にして打つ上肢の安定をはかること。背中、脇などの体幹を意識させます。ともすると竹刀を持つ手に注意が向きがちですが、剣道は全身運動であると説明。
その後、相打ちの面の稽古。2人一組となって、9歩の間に相対し、15°の礼、3歩前、蹲踞、5歩後退し、正眼に構え、3歩前進して先革の触れる間に入り、教師の笛を聞いて、相手の面を打って出て残心まで繰り返します。その時に大切なことは相対した時から相手から目を離さず気を集中し、重心の位置、両踵を少し上げ、踏み込める態勢をつくることの大切さを説きます。
気合の大切さ、自分を励まし相手を恐れさせ、驚かす手段として自分の持てる機能の一つである声を利用することが、原始的ではあっても本源的な手段であることを伝えます。
気恥しそうな生徒も繰り返すうちに気合も出て、踏み込み足も鋭くなった生徒が目立ちます。心配した面を打たれて痛いという声はなく、満足気な生徒が目立ちました。
3時限目、6回目、1年4・5組
立礼、座礼、雑巾がけ。このクラスは全8回の授業ということで今回を入れてあと3回。技術はともかく生徒が打ち合いを希望しているので、そこまで持っていくこと。相対して、面打ちを交互に繰り返します。打たせる方が主体的に剣先を開いて、気分は上位であることを意識させます。
両肩、肘、手首を使って打つことで体全体が前進することが自覚できればよいと伝えます。上肢、下肢をつなぐ体幹を鍛える大切さ。打たせてもらう、打たせてあげる相対関係を感謝の心として意識させます。
4時限目、6回目、2年4・5組
立礼、座礼、雑巾がけ。雑巾がけをしていた生徒がプラスチックのボールペンのキャップの破片のようなものを持ってきました。雑巾がけの甲斐があったと紹介。切り返しを繰り返します。面受けですので面紐の上を目標として右手首を使って刃筋を意識させて、肩、肘、手首を伸ばして打つことを留意させます。背筋を伸ばし、気合を大きくかけること。授業の初めにクラス全体が沈んだ雰囲気だったのが、切り返しをしている間に気力がクラスに満ちてきたようです。
その後に相対し、相打ちの面を教師の笛を合図に行ないます。打ちに行くために上体が流れやすくなることを指摘。蹴り足と上肢をつなぐ体幹の大切さを説きます。
2015年2月18日 記