2015年2月10日掲載

和田宗春の教育1

—中学校の教育剣道(2)—

2月5日(木)

2時限目、1回目、2年2・3組

 立礼、座礼、雑巾がけをして竹刀を持つのですが、持ったら振り回さない、近くの人を打ったりしないなどを徹底します。そして整列し、まず足の構えです。右足前でかかとを左足とも少し上げること、両足の前後、左右の置き方を教えます。列の間を見て回ります。

 柔道や相撲の武道、テニス、ゴルフなどのスポーツで原則として足の構えが右足前で激しい動きを繰り出す剣道の攻防の不思議さを説きます。

 竹刀の握り方は小指、薬指をしっかりとして他の指は添えるだけといいますが、極端に指を竹刀から浮かせる生徒が目立ちます。

 正座の時に背中を張るように、肩甲骨を左右とも近づけるようにする姿勢の美しさもつけ加えます。

3時限目、2回目、1年4・5組

 立礼、座礼、雑巾がけ。竹刀を握って送り足の繰り返しをします。左右ともかかとを上げること、左右の手の竹刀の握り方を確認します。

 目の高さを一定にして体の安定を保つためにすり足が大切だと教えます。

4時限目、2回目、2年4・5組

 立礼、座礼、雑巾がけ、防具のつけ方を学習します。
 垂れが強く結べない、胴の胸紐を結ぶのが難しい。5人中2人はすぐには結べない。結べても強く引けないのですぐに緩んでほどける。
 この学校では面手拭いは巻くのではなく、あらかじめ折って帽子のようにかぶるやり方を教えます。これはすぐに全員が理解できます.

 面をつける前に面紐の処理ができません。左右の顎の紐を後頭部を回して面鉄の最後部を通すことを教え、面を脱いでも紐はそのままにして面内部にまとまて入れておくことで納得させます。

 このように書くと簡単のようですが、腕や指の力の差や生まれて初めて重量のある面をかぶるのですから生徒は戸惑います。

 また面をつけると視野は面鉄で、声は面布団でさえぎられるので、不安を感じるようです。両小手をつけて感覚が直接伝わらない手で、竹刀を持つ不自然さもあるようです。面から垂れまで3kgぐらいの重さを身につける異体験をした生徒は着脱を通して剣道の特異性も体験しています。

 2回目の授業に入ったクラスは少し余裕が出てきたようで、雰囲気がやわらいできています。

2015年2月7日 記