2015年3月1日掲載

和田宗春の教育1

—中学校の教育剣道(15)—

2月27日(金)

2時限目、8回目、1年2組

 立礼、座礼、雑巾がけ、防具つけ。正面打ち、切り返しの稽古。

 切り返し、試験。要点を説明します。(1)大きな声で気合いを出す。(2)大きく振りかぶり竹刀の物打ち(中結付近)で面紐と面の交点を打つ。(3)残心を示します。声の出ない生徒、振りかぶりの小さい生徒、間合いが近い生徒が数名ずついます。しかし全体として動作は歯切れがよく面受けの面に頭をさげる生徒が少ないです。生徒の間に信頼があるせいです。

 挨拶の機会がありましたので、楽しく授業ができたこと、これからも剣道に関心を持って欲しいといいました。

3時限目、10回目、1年1・3組

 立礼、座礼、雑巾がけ、防具つけ。正面打ち、切り返しの稽古。

 切り返し、試験。試験の要点を説明。生徒数が多いので時間が足りなくならないか心配。しかし円滑に流れていきました。

 切り返しは面受けで正面、左右面を前進4本、後退5本。正面、通常は2回繰り返すのですが1回だけとしています。

 大きく振りかぶって打つ生徒が多く見られます。1組、3組と別々の試験なので、1組が試験の時、3組は見て勉強するように注意。終わった生徒は防具を取ってしまいます。時間ぎりぎりまで試験がかかるためです。全体として試験の時のほうが積極的な生徒がいる1組、3組です。

4時限目、9回目、2年4・5組

 立礼、座礼、雑巾がけ、防具つけ。正面打ち、切り返しの稽古。
 試験の要点を説明。4組、5組の順序で試験。2年生は体も大きい生徒が多いので切り返しの距離も長くなります。打つ部位は正しく面紐と面の交点を守っている生徒が目立ちます。
 体の使い方が上下動の少ない前身力のある生徒が多く見られます。竹刀が大きく振り上げられ、正しく面を打つ生徒。声が出せない生徒と出せる生徒がはっきり分かれます。

 

※2月27日に2月4日から始まった剣道授業も終わりました。その進行を15回に渡って報告しました。
 表題を剣道教育ではなく教育剣道としましたのは教育としての剣道を学校教育で実施できないだろうかとしたのです。
 校外の剣道は社会体育としての側面があり、学校という環境にあっては学校の教育機関としての機能を生かした剣道でなければならないと考えているからです。
 いままで10年近く授業はもとより私立小学校の剣道クラブ、中学校の剣道部でもこの考えで取り組んできました。
 このような教育剣道を指導された小中学生が剣道を好きになって欲しいと思うからです。
 剣道は自己表現という側面もあります。身体、性別、年齢など同じ条件の人はいません。それだけに自分だけにしかできない剣道を小中学生の頃から知って欲しいのです。
 逆説明にいえば、右手、右足前などの規制がある中で、個性をどう出すかという工夫が楽しくなってくるのです。この度の授業を受けた生徒がいままでの剣道の先入観を改め、好きになり、楽しい思い出となることを願っています。 終

2015年2月27日 記