2023年7月3日掲載
剣道と44年の付き合い
【13】見習うべきは受け答えの速さ
剣道を介して多くの剣道家と知り合った。人間的にみると、先生がたは、人を大切にしているということが言える。例えば九段、中村伊三郎、八段、岡村忠典、田口栄治、田原弘徳、香田郡秀の各先生である。便りをお出しすると、すぐさまお返事がある。お忙しいのであろうが、こちらの現状を尋ねる内容である。この速さと気ずかいは心地よい。近頃は電話があるので、早さからすれば電話であろう。しかし手書きの葉書、封書をいただくと恐縮する。ひと手間かけることで、相手を想像して思いがこもる。そのような交流が尊い。剣道が剣の修行を通じての人間形成と言っていることの実践は、反応の早さにもあらわれる。
自分はどうか
打突の速さを競う剣道であれば、日常の生活も速いことになる。拙速は良くないにしても、速いことは人生を円滑にする。このようにお付き合いしていただいているのに、自分はどのように人とお付き合いしているのだろう、と考える。剣道を通じてだけではなく、日常においても。若い時から、議員になってから時計は15分すすめてきた。公務では一回も遅刻、欠席したことはない。ハガキ、手紙の返事はその日のうちに書いた。対応を速くするだけで、気分がすっきりする。相手に対するこちらの態度とそれを表す内容は、丁寧にしてきたつもりである。相手の受け止め方までは、分からないが。
木霊のような応答があると、人間関係が健康で明るくなる。人に不快を与えないような、剣道修行、人生を送りたいものである。先にお名前を挙げた先生方のように、信頼される剣士、人間になるように努めたい。
2023年5月 記