2023年10月17日掲載

剣道と44年の付き合い

【24】稽古はほどほどに 

 第23回で書いた本を読むという事のついでで、『生命とリズム』三木成夫 河出書房をすすめたい。友人から生物の発生についての理解をするのによかろう、という勧めで読んでいる。腹腔と声ということなど参考になった。呼吸法、体のつくりなどにも異分野からのヒントが得られた。大谷選手のスイング時の頬のふくらみは呼吸法と剣道の関係ではどう理解するのか、ということにまで考えは及ぶ。長くなるので本の話はここまでとする。

 稽古を稽古として終わらせるのではなく、発展させるようにするためにはどうしたらよいのか。先に触れた考える剣道をするためには、具体的な稽古のあり方を自分なりに構築する必要がある。稽古の原則である。いろいろある。

—二日、続けて稽古をしない—

 高齢者の剣道家で蹲踞が出来ない人が多い。中腰の方、それも出来ない方、色々と剣道を継続した結果、身体に不具合を持つ人がいる。テニス肘、野球肩とよく言われる。要は使い過ぎである。そこでの対策は休ませればよいことは誰でもわかる。剣道も熱心になると楽しい、毎日でも剣友と稽古がしたくなる。

 そのたびに打ち込む右膝は重圧で酷使される。何年、何十年と繰り返されればひざも傷む。そこで稽古をしたくても膝を休ませる。三十年前、私はそのことに気づいてから、二日は続けないようにしている。蹲踞にも踏み込み足にも違和感はない。ありがたいことだ。手足の爪の処理はしっかりとしておいて、失礼にならないようにしている。楽しく剣道をするためには無理をせず、自分のあらゆる限界を自覚しつつ竹刀を持ちたい。稽古量の不足は前回触れた本、DVDなどで補う。もちろん稽古から帰ったら足首、膝、腰、肩、手首などをマッサージしたり、張り薬で手当てをする。そして次回の稽古に備える。

2023年9月 記